念願のウッドデッキを手に入れたものの、予算不足でおしゃれな屋外用家具は買えない状況です。
そこで「お金がないなら手を動かせ!」をテーマに古いテーブルをペイントしたり、古くて変な色の木製ドアにペンキを塗ったり。
ソファー用ボックスシーツを手作りしたり、中古で買った無垢材ダイニングテーブルとベンチをオイルフィニッシュ塗装で復活させたり。
「予算不足なら手を動かせ!家にあるもの徹底活用!シリーズ」5回目の今回は手作りクッションカバーです。
クッションは決して高いものではないけれど、どうせなら自分の好きなデザインのものを安く手に入れたいというのが正直なところです。なので手作りしようかと。
お店で売っているクッションカバーはファスナー付きのものがほとんど。よし作るぞ!と気合を入れたはいいけれど困ったことにファスナーの付け方が全然分かりません。
そもそもファスナーは必要?ファスナーの付け方が分からないならファスナーなしで作ればいいじゃないか!
というわけで開いている部分からクッションを出し入れするクッションカバーを作ってみることに。
ファスナーなし!ボタンなし!型紙不要!一枚布だから超簡単!絵柄の出方が違う生地もOK!あらゆるサイズに応用できる!好きな生地で手軽に模様替え!
ファスナーなし手作りクッションカバーの作り方・縫い方、布地の必要量の計算方法、手順、コツやポイント、注意点をご紹介します。
目次
くつろぎタイムクッションが欲しい
低予算ながらもそれっぽい雰囲気になってきたウッドデッキのくつろぎスペース。
- ゴロゴロするときになんだか体勢が落ち着かないのでクッションが欲しい
- 好きなデザインのクッションが欲しい
- 物色した結果アウトドア用クッションは高いことが分かった
- 何もアウトドア用クッションじゃなくてもいいと思いはじめた
- いざというときのために保管しておいた生地がたくさんある
というわけで手作りしてみることに。
過去に作ったクッションカバー失敗作
約6年ほど前、無性に部屋の模様替えがしたくなり、衝動的に作ったクッションカバーです。もちろんファスナーなし。
こうして改めて見てみると
- まるで巨大なティッシュケース
- 布の合わせ方を全く考えていない
- 中に入れるクッションのサイズを全く考えていない
- 全体的にひどい
と「一体わたしは何が作りたかったのだろうか」と思うくらい意味不明な物体です。なんだこれは。
前回の失敗からかれこれ6年は経っているので、今回は失敗をいかしてもう少しちゃんとしたクッションカバーを作りたいなぁと思いました。
超簡単!ファスナーなしクッションカバーの作り方
- 費用:生地とクッションの大きさ・価格による
- 推定所要時間:ミシン→約30分~1時間 手縫い→約1時間~3時間(大きさによる)
- お手軽度:★★★★★ 基本は上下左右縫うだけなので簡単
- 自己満足度:★★★★★ イメージ通りの仕上がりで大満足
材料
- 好きな生地
- クッション
- 糸
「今は時間がないけれどいつかこれで何か作ろう」と思ってずっと保管していた生地やカーテンを作ったときの余り布です。
中に入れるクッションは家にあったものを使うことに。
- 40cm x 40cm
- 50cm x 50cm
- 65cm x 65cm
の3種類のサイズを使いました。
1.生地の必要量を計算する
まずはクッションの大きさに合わせて必要な生地のサイズ(縦の長さ・横の長さ)を計算します。
基準となるのはクッションの縦の長さと横の長さ。そこに布地が重なる部分(=クッションを出し入れする部分)、縫い代の長さを加えて算出します。
生地の裁断サイズを決める方法としては「ざっくり計算」と「わりときっちり計算」があります。
ざっくり計算
「ざっくり計算」は、実際にクッションを包みながら「なんとなくこれくらい」という感じで生地が重なる部分と上下左右の縫い代の長さを足して最終的な裁断サイズを決める方法です。
計算というよりも目分量です。
わりときっちり計算
「わりときっちり計算」は一応計算する方法です。
紙に四角(クッション)を描いて必要な部分を書き足していくと計算しやすいです。
生地の縦の長さ
- クッションの縦の長さ
- クッション上側の縫い代の長さ
- クッション下側の縫い代の長さ
クッションの上下は三つ折り不要で直線縫いするだけなので、縫い代の長さは1cmもあれば十分です。
例えばクッションの縦の長さが50cmのクッションカバーを作るときの計算方法はこんな感じ。
- クッションの縦の長さ:50cm
- クッション上側の縫い代の長さ:1cm
- クッション下側の縫い代の長さ:1cm
となるので縦の長さは50cm+1cm+1cm=52cm。
縦の長さが40cmのクッションの場合は40cm+1cm+1cm=42cmといった具合に簡単に計算できます。
生地の横の長さ
- クッション表側(=表側全体を包む分)の横の長さ
- クッション裏側(=裏側全体を包む分)の横の長さ
- クッション右側の縫い代・三つ折りする部分の長さ
- クッション左側の縫い代・三つ折りする部分の長さ
- 生地が重なる部分(=クッションを出し入れする部分)の長さ
例えばクッションの横の長さが50cm、左右の縫い代は1.5cmずつ三つ折り、生地が重なる部分の長さが20cmのクッションカバーを作るときの計算方法はこんな感じです。
- クッション表側(=表側全体を包む分)の横の長さ:50cm
- クッション裏側(=裏側全体を包む分)の横の長さ:50cm
- クッション右側の縫い代・三つ折りする部分の長さ:1.5cmで折ってアイロン+1.5cmで折ってアイロン=3cm
- クッション左側の縫い代・三つ折りする部分の長さ:1.5cmで折ってアイロン+1.5cmで折ってアイロン=3cm
- 生地が重なる部分(=クッションを出し入れする部分)の長さ:20cm
となるので横の長さは50cm+50cm+3cm+3cm+20cm=126cm。
生地が重なる部分(=クッションを出し入れする部分)の長さを10cmにしたい場合は50cm+50cm+3cm+3cm+10cm=116cmという感じで簡単に調整できます。
また例えば「本当はクッションを出し入れする部分を15cmにしたいけれど生地が5cm足りない!」といった場合は15cm→10cmに調整すればOKです。
2.生地を裁断する
クッションカバーを作るために必要な生地の大きさ(縦の長さと横の長さ)が分かったら生地を裁断します。
左右の縫い代は多少三つ折りの幅が広くなってもそれほど大きな問題にはならないので、布端(耳)も上手に活用するとよろしいかと。
3.左右を三つ折りする
- 1.5cm折ってアイロン
- もう1回1.5cm折ってアイロン
- マチ針でとめる
という感じで左右を三つ折りします。
4.三つ折りした部分を縫う
右も左もダーッと直線縫いします。
あっという間に縫い終わりました。
5.生地が重なる部分(=クッションを出し入れする部分)の長さを調整する
「ざっくり調整」と「わりときっちり調整」の2つの方法が考えられます。
ざっくり調整する方法
実際にクッションを包んで、クッションの厚みに合わせてざっくりと調整する方法です。
内側に隠れて見えない三つ折り部分がクッションカバーが完成したときに外側に出る部分です。
手順は以下の通り。
- 生地の表側が上になるように置く
- クッションを置いて包む
- 生地を重ねる
- クッションを外す
- マチ針でとめる
わりときっちり調整する方法
最初に計算した通りに生地を重ね合わせる方法です。
同様に内側に隠れて見えない三つ折り部分がクッションカバーが完成したときに外側に出る三つ折りです。
手順は以下の通り。
- 生地の表側が上になるように置く
- 最初に決めた生地が重なる部分の長さで生地を重ねる
- マチ針でとめる
6.上下を縫う
縫い代1cm前後で上と下をダーッと縫います。
7.生地が重なる部分を再度縫う
生地を重ね合わせた部分はクッションの出し入れによって負荷がかかる部分です。
なので強度をつけるためにもう一度縫っておくと安心です。
使っていて破れたらまた縫えばいいだけなので、気が向いたらという感じで。
8.布端を処理する
ジグザグミシン(ロックミシン)をかけて布端の処理をします。これも気が向いたら。わたしは布端がボロボロほつれていたので念のためジグザグミシンをかけました。
苦手なジグザグミシン。汚いジグザグです。でも布端のボロボロが消えて気分スッキリです。
9.クッションを入れる
クッションカバーを裏返してサッと形を整えます。
生地が重なっている部分を開いてクッションの片側を差し込みます。
クッション差し込み完了。
必要に応じて出ているクッションを押し込みながら、
残っている方のクッションカバーで完全に包み込みます。
全体の形を整えたら完成です。
出来上がり
できた!ファスナーなしでもいい感じ!ちゃんとしたクッションカバーができました。ちょっと感動。
大きすぎず小さすぎず、ちょうどいい。くつろぎタイムが楽しみになります。気分転換にもなりました。
コツ・ポイント・注意点
絵柄に応じた布の合わせ目(=クッション出し入れ部分)の調整
絵柄・模様の出方がほぼ均一の場合
- ボーダー柄
- 小花柄
- 細かいチェック柄
など上下も左右もないような、絵柄の出方がほぼ均一の生地を使う場合は、だいたい真ん中あたりで合わせます。だいたいです。
右側に寄りすぎ!左側に寄りすぎ!というレベルでなければよろしいかと。
絵柄・模様の出方が場所によって異なる場合
場所によって絵柄の出方が違う生地を使う場合、本来は一枚布ではなく複数枚(たぶん3枚くらい)を合わせて作った方がクッションカバー表面の絵柄がよりキレイに出ると思います。
が、一枚布で作る場合も、ある程度絵柄の出し方を調整することができます。
1).絵柄の出し方をイメージする
クッションの上に生地を置いて「理想はこの辺り」と目星をつけておきます。
わたしは「鳥の絵がいっぱいになるように」を目指して場所を決めました。
2).目星をつけた場所にクッションを置く
今度はクッションを「理想はこの辺り」と目星をつけておいた場所に置きます。
3).生地が重なる部分(=クッション出し入れ部分)の長さを調整する
「理想はこの辺り」と目星をつけておいた場所を基準に
- クッションの厚みに合わせてざっくりと調整する「ざっくり調整」
- 最初に決めた生地が重なる部分の長さで生地を重ねる「わりときっちり調整」
のどちらかで長さを調整します。
4).絵柄の出方を最終確認する
マチ針でとめた後、裏返して念のため絵柄の出方(=クッション表面の絵柄)をチェック。
「理想はこの辺り」と目星をつけておいた絵柄がうっすらと見えればOKです。
完成
クッションの厚みでややズレてしまったものの、ほぼ最初にイメージした通りの仕上がりになりました。
鳥の絵いっぱい!
クッションカバーの上下を縫うときの注意点
隠れて見えない三つ折りの縫い忘れ
左右を縫った!上下を縫った!強度を増すために生地が重なる部分だけもう一回縫った!出来上がり!と思って裏返したら三つ折りした部分と周辺がペロンと飛び出していました。
これはショック。悪い例です。
クッションカバーの上下を縫うときに外側に見える三つ折り部分だけを見て、内側に隠れているもう片方の三つ折りの存在を完全に忘れていました。
「なんか曲がってるな」と思いながらも確認せずにそのまま突き進んだ結果です。
目に見えない三つ折りの存在を忘れない
上下を縫うときに内側に隠れているもう片方の三つ折りはクッションカバーが完成したときに見える部分です。なのでとても大切。
「面倒だからこのまま使おうか」と一瞬思ったけれど「いや、さすがにこのままではまずい」と思い直し、ペロンと飛び出した部分と周辺の糸をほどいて縫い直しました。
そんなわけで上下を縫うときは
- 焦らずゆっくり縫う
- できるだけまっすぐ縫う
- 曲がってる!と思ったら一旦ストップ
- 内側に隠れて目に見えない三つ折りの存在を忘れない
といった点を意識するとよろしいかと。
クッションを完全に包み込む布の合わせ方・長さ調整
約6年前に作ったときは、布の合わせ方を全く考えていなかったため、布の合わせ目からクッションが見える巨大ティッシュケース風クッションカバーになりました。
ひどいです。自分が嫌いになりました。
今回は「失敗から学ぼう」ということで布の合わせ方、生地を重ねる部分(=クッションを出し入れする部分)の長さを決めるにあたってかなり慎重になりました。
で、生地を重ねる部分の長さを10cm、15cm、20cmに設定して3種類作ってみたところ、10cm~20cmくらいで設定しておけば巨大ティッシュケースにはならない!と確信。
おそらく5cmくらいでは心もとない感じ。せめて8cm、できれば10cm以上あったら安心という感じです。
クッションの出し入れ作業のしやすさ
クッションを入れたときに布の合わせ目からクッションが見えないことも大切。同時にクッションが出し入れしやすいかどうかも大切なポイントです。
今回は生地を重ねる部分の長さを10cm、15cm、20cmに設定して3種類作ったので、長さ別に出し入れ作業のしやすさを比較してみました。
- 10cm→すんなり出し入れできる・ちょうどいい
- 15cm→すんなり出し入れできる・ちょうどいい
- 20cm→クッションを押さないと出し入れできない・長すぎるような気がしないでもない
というわけで最大20cm、20cm以上だと長すぎて出し入れしずらくなるだろうと予想しています。
参考:生地の裁断サイズ(縦・横)
クッションの大きさ別に生地の裁断サイズ(縦・横)をまとめてみました。
40cm x 40cm クッション
- 生地が重なる部分(=クッション出し入れ部分)の長さ:10cm
- 裁断サイズ:縦42cm x 横96cm
50cm x 50cm クッション
- 生地が重なる部分(=クッション出し入れ部分)の長さ:20cm
- 裁断サイズ:縦52cm x 横126cm
65cm x 65cm クッション
- 生地が重なる部分(=クッション出し入れ部分)の長さ:15cm
- 裁断サイズ:縦67cm x 横151cm
まとめ
基本は「切る→上下左右縫う」だけのクッションカバー。なんて簡単なんだ!
超簡単!といいつつ1枚目はちょっと失敗したけれど、過去の失敗に比べたらなんでもないレベルです。
- 巨大ティッシュケースに見えない
- 布の合わせ方・長さ調整が簡単にできるようになった
- どんなサイズのクッションカバーでも作れるようになった
とだいぶ成長したもんです。無事に巨大ティッシュケースから卒業しました。
多少縫い目が曲がっても、多少大きくなっても小さくなっても、クッションを入れるとちゃんとクッションカバーに見えるので大丈夫。
ついでにファスナー代も節約できます。ファスナーが壊れた!なんて焦る必要もありません。
ファスナーの付け方が分からないならファスナーを使わずに作る方法を考えればいいだけ。
ファスナーなしでも自分の好きな布で簡単にファスナー付きに負けないくらいおしゃれなクッションカバーが作れます。
座布団カバーも作りたい。