いつか子どもに読み聞かせたい。いつか子どもと一緒に読みたい。そう思って買っておいた絵本「ムーミンのたからもの」。
自分だけのたからもの探しに出かけるムーミン。帰ってきたムーミンにやさしく寄り添うムーミンママ。
家の片づけがてら久しぶりに絵本を開いてみたところ、今の自分の心にズシーンと響くものが。
そういえば自分のたからものってなんだろう?思わず涙がポロッ。
なんだか疲れたなぁと思ったときに読みたい、やさしさ溢れる絵本。大切な誰かに贈りたくなる、大人にもおすすめの1冊です。
子どもから大人まで「ムーミンのたからもの」
- 色使いがキレイ
- 絵がかわいい
- 話の内容が分かりやすい
- あたたかい気持ちになる
- 子どもに「誰かを思いやる気持ち」を伝えるのにちょうどいい
- 同じシリーズの他の絵本も欲しくなる
絵本なので当たり前だけれど、絵もストーリーも全体的にやさしい雰囲気だなぁというのが率直な感想です。
白黒ムーミンコミックスばかり読んでいたのでとても新鮮。華やかな色。深みのある色。絵を見ているだけでも楽しいです。
ムーミン、ムーミンママ、ムーミンパパ、スナフキン、ミイ、スノークのおじょうさん、ヘムレンさん、スニフが登場。
でも、ぼくには・・・・・・、なんにも ない。
読んでる自分まで悲しい気持ちになってしまうムーミンの言葉。
たからもの探しから帰ってきたムーミンにやさしく寄り添うムーミンママ。そのムーミンママの表情が本当にやさしくて。
ママの言葉に思わず涙がポロッと流れてしまいました。おふくろさんよぉ~。泣ける。ちょっと疲れているだけ。ちょっと情緒不安定なだけ。
絵本にしてはちょっと長いかもしれないけれど、読み応えのある絵本だと思います。
まだ息子には難しそうなので、3歳~4歳くらいになってもう少し日本語が分かるようになったら読み聞かせようかと。
それまでは一緒に絵を見ながら楽しもうと考えています。
やさしく見守りたい「子どものたからもの」
将来学校へ行く年齢になったらムーミンのように「ぼくにはなんにもない」と悩んだりするのかなぁと先走って考えています。
今と昔とでは違うかもしれないけれど、特に学校は「目に見えるもの」が評価される傾向があるなぁと。
例えば、スポーツができる=目立つ・人気・偉い、オタクっぽい=目立たない・怪しまれるみたいな構図やイケてる女子グループとイケてない女子グループみたいな。
「目に見えるたからもの」もあれば「目に見えないたからもの」もあるはず。
「目に見えるもの」だけではなく「目に見えないもの」にも意識を向けて自分だけのたからものを見つけてもらえたら、と思います。
悩んだり。迷ったり。つらい思いをしたり。悔しい思いをしたり。悲しい思いをしたり。いろいろあるけれど、これも人生の一部。
そんなときに息子をムーミンママのような大らかなやさしさで包んであげられたらいいなぁと思います。
大切にしたい「自分のたからもの」
ムーミンの「ぼくにはなんにもない」という悲しい気持ち、よく分かります。
あるあるある!大人だってあるんです。むしろ、大人の方があるんじゃないかと。
「目に見えるものだけが全てではない」と分かっていても、どうしても「目に見えるもの」にしか意識が向かわないとき。
「他人と比べることは無意味」と分かっていても、ネガティブ思考になったり、自分を卑下してしまったり。
- 友達がたくさんいていいな
- 人見知りしない性格でいいな
- いつもポジティブでいいな
- ハッピーオーラ全開でいいな
- 旅行にいっぱい行けていいな
- 頻繁に日本に里帰りできていいな
- 手先が器用でいいな
- お料理上手でいいな
- 豪華な生活でいいな
- お金持ちでいいな
- 宝くじ当たっていいな
- いっぱい外食してていいな
- 素敵なお家でいいな
- 美人でいいな
- スタイル抜群でいいな
- いつもキレイなママでいいな
- いつもやさしいお母さんでいいな
- 仕事で成功してていいな
などなど。
テレビやインターネットはじめ、全くやる気のない自分のFacebookを開いたときに流れてくる情報を見ていると他人が羨ましくて仕方がないときがあります。
みんなが眩しく映ってどうしようもない。見なければいいのに。どんどん沈んでいく一方。
家族。友達。好きなモノ。好きなコト。大切な「自分のたからもの」をときどき見失いそうになります。
でも、ここまで落ちると「あ、やっぱり他人と比較するのは無意味だな」と気づくので、現実に戻って「自分のたからもの」をもっと大切にしよう、というのがいつものパターン。
そんなわけで。
みんな、もってる。じぶんだけのたからものを。
【追記】いつか家族みんなで行きたい!フィンランドのムーミンワールドの様子をまとめてみました。
まとめ
息子用に買っておいた絵本なのに、まさかここまで深くいろいろと考えることになろうとは。
あたたかくて、どこか切ない。自分にとっての「たからもの」は何か?を改めて考える機会になりました。
子どもの絵本、そしてムーミンの世界は奥が深いなぁと。手元に置いておきたい、お気に入りの1冊です。
それにしてもムーミンママって本当にやさしい。
足が痺れて痛そうにしているわたしの顔をそっとのぞきこみ、覚えたばかりのつたない英語でAre you OK?とやさしく声をかけてくれた息子。
息子に「誰かを思いやるやさしい気持ち」をちゃんと教えてあげられるように、ムーミンママのような心の広いお母さんになりたいなぁと思いました。
次の狙いはムーミンのともだち。