いつかやってみたいと思いながらも、道具をあれこれ準備するのが面倒くさい、苛性ソーダが怖い、なんだか難しそう、という感じでいつもあきらめていた石鹸作り。
そんな中、なんとペットボトルを使ってより簡単に・より安全に石鹸を作ることができるらしいとの情報発見。
本当に作れるのか!と思いながら、早速石鹸を作ってみることに。
意外に簡単!少ない道具で作れる!怖くない!
ペットボトルを使って石鹸を作ってみた感想や用意した道具・材料、手順、作り方などをまとめてみました。
目次
ペットボトル石鹸作りチャレンジ
石鹸作りをあきらめていた理由
準備・後片付けが面倒くさい
- 必要な道具が多くて石鹸作りをはじめるまでの準備が大変そう
- 石鹸を作った後の片付けが面倒くさそう
という感じで結構大がかりなので作ってみたいとは思いつつも、積極的に作ってみようという気持ちにはなれずにいました。
苛性ソーダが怖い
石鹸作りに欠かせないといわれる苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は毒物・劇物として扱われるとても危険な薬品。
最初はこんな危険なものを使って作る石鹸は危ないんじゃないか!的に思っていたけれど、どうやら苛性ソーダは油と反応して石鹸に変化するらしいです。
つまり、苛性ソーダがないと石鹸は作れないということ。
必要なのは分かるけれど、やっぱりなんだか怖い。
泡立て器やブレンダーで生クリームを泡立てるときでさえあんなに飛び散るというのに危険な薬品をあちらこちらに散乱させるわけにはいきません。
難しそう
- オイルや苛性ソーダの分量などの細かい計算が苦手
- 模様付きの石鹸など作れるほど器用ではない
- ちゃんと石鹸になるのか不安
などなんとなく難しそうなイメージがあります。
ペットボトル石鹸作りのメリット・デメリット
準備や後片付けがそれほど大変ではなく、簡単に安全に石鹸を作る方法はないだろうか?と思いながらいろいろ調べてみたところ、発見!
泡立て器を使うよりも簡単に材料を均一な状態(攪拌)にすることができるそうです。
『uki☆uki☆せっけんライフ』ペットボトルで簡単、安全に石けんを作る
メリットとしては
- 少ない道具で作れるので準備と後片づけが楽
- 泡だて器やブレンダーのように液体が飛び散る危険性が低い
- ペットボトルを有効活用できる
- 処分に困る廃油を無駄にしない(廃油を使う場合)
など。
デメリットとしては
- 模様つきの可愛らしい石鹸を作ることができない
- ペットボトルをシャカシャカ振るのが疲れる
などが考えられるのではないかと。
わたしは実用性重視で石鹸を作りたかったので模様付きじゃなくても特に問題はありません。
ペットボトルをシャカシャカ振るのは筋トレと思えば乗り切れそうです。
『uki☆uki☆せっけんライフ』ペットボトルで簡単、安全に石けんを作る
ペットボトル石鹸作りに必要な道具
というわけで早速ペットボトル石鹸作りにチャレンジ。
今回用意した道具リストです。
- 2リットルペットボトル → ヒビや割れがないことをしっかり確認
- はかり → デジタルを持っていないのでアナログ(本当はデジタルの方がいいらしい)
- 計量カップ → 水やオイルを計量するため(耐熱ガラス計量カップが便利)
- じょうご(ろうと) → 苛性ソーダを入れるときにこぼれないようにするため
- テーブルスプーン → 苛性ソーダ用(古いスプーンでOK)
- プラスチック容器 → 型として使用(牛乳パックやシリコン型でもOK)
- ゴム手袋 → 肌を守るため
- マスク・布・タオル → 口元を覆うため(マスクがなかったので適当な布で代用)
- 安全めがね・ゴーグル → 目を守るため(できればあった方がいい)
- ビニール袋 → 液体がこぼれないようにペットボトルを包むため
- 箱 → 保温用(毛布やタオルでくるんでもOK)
服装は基本的に長袖・長ズボン。エプロンもあるとよろしいかと。
できればマスクも着用したいところです。
ペットボトル石鹸作りの材料・分量・費用
材料・分量(超適当)
今回は、とりあえず「本当にペットボトルで石鹸を作ることができるのか?自分にも石鹸を作ることができるのか?」試したかったので思いつきの超適当レシピです。
廃油がなかったので、ココナッツオイルと家にあるオリーブオイルをベースに作ってみることに。
苛性ソーダはスーパーマーケットの洗濯掃除コーナーで発見。日本での販売は薬局のみ、購入の際は印鑑が必要だそうです。国によっていろいろ。
ミネラルが多いと酸化しやすい石鹸になるそうなので精製水を使うことにしました。
- オイル 500ml(ココナッツオイル:約340ml / オリーブオイル:約160ml)
- 苛性ソーダ 50g
- 精製水 100ml
「○○石けんを作ろう」といったものではなく、実験なのでオイルの比率は適当です。
【追記】ペットボトルで作るオリーブオイル石鹸の作り方・レシピをまとめてみました。
分量計算・アルカリ計算
苛性ソーダと水の量はこちらのサイトを参考にして算出しました。
「石鹸 手作り 計算」などのキーワードで検索すれば、算出サイトがいろいろ見つかると思います。
『uki☆uki☆せっけんライフ』アルカリ計算機&石けんシミュレーション
費用
適当レシピとはいえ、やっぱり気になるのでザザッと費用を計算。
- ココナッツオイル 340ml → $6.49
- オリーブオイル(500ml入り$4.69) 約160ml → 約$1.50
- 苛性ソーダ(500g入り$4.83) 50g → 約0.50
- 精製水(5L入り$3.25) 100ml → 約$0.06
合計 約$8.55
高いのか安いのかよく分からないけれど、できた石鹸の重さをはかってみたところ約700g。
手作り粉末洗濯洗剤を作ったときに使ったココナッツ石鹸は1個(80g)あたり$2.00、3個使ったので240g=$6.00という計算になります。
- 市販の石鹸 → 100gあたり$2.50
- 今回の手作り石鹸 → 100gあたり$1.22
という感じになるのでオーガニックのオリーブオイルとココナッツオイルを使っているわりにはお得なのではないかと。
ペットボトル石鹸作りの手順・作り方
1. 精製水を計量する
- 精製水を計量する
- 計量した精製水をペットボトルに入れる
という流れです。
2. オイルを計量する
続いてオイルを計量します。
計量したオイルは出番(=苛性ソーダ水とオイルを混ぜるとき)がくるまでそのまま放置します。
事前に準備しておくと流れがスムーズというだけの話なので、苛性ソーダと混ぜる直前に計量しても問題ありません。
それにしてもオリーブオイルってこんなに緑なのか!とびっくり。
3. 苛性ソーダと精製水を混ぜる
いよいよ苛性ソーダの登場です。ポイズン。危険。必ず手袋、できれば安全めがねとマスクも着用したいところです。
つぶつぶの白い粉。塩みたい。
作業の流れ
- 苛性ソーダを計量する
- じょうご(ろうと)をペットボトルの入り口に設置する
- ペットボトルの中に少しずつ苛性ソーダを入れる
- ペットボトルをゆっくり動かしながら苛性ソーダをしっかり溶かす
コツ・ポイント・注意点
- シンクに水をはっておく
- 精製水の中に苛性ソーダの順番で入れる(苛性ソーダに精製水という順番は危険)
- 一度に大量の苛性ソーダを入れると温度が急激に上昇するので数回に分けて入れる
- 出てくる蒸気は有毒なので吸わない
小心者のわたしは息を止めながらスプーン1杯ずつ、ゆっくりと苛性ソーダを入れました。
少しずつ苛性ソーダを入れても結構熱くなるのでシンクに水をはっておくとよろしいかと。
ちなみにペットボトルのフタを閉めたときボトルが熱によって変形しました。
基本的にはペットボトルのフタを閉めずにペットボトルをゆるやかに動かしながら溶かすようにしています。
苛性ソーダが溶けずにペットボトルの底にたまっている場合のみ、フタを閉めてペットボトルを軽く上下に振ってみるとよろしいかと。
4. 苛性ソーダ水とオイルを混ぜる
オイルの登場です。引き続き手袋、安全めがね着用で作業しました。
作業の流れ
- ペットボトルを触ってみて苛性ソーダを溶かした水が手で触れるくらいの温度(人肌くらい)になったらペットボトルにオイルを入れてフタをする
- ペットボトルをビニール袋に入れる(万が一液体がもれたら危ないのでさらに毛布やタオルで包んで保温してもOK)
- 液体が濁ってとろみが出るまでひたすらシャカシャカ振る
コツ・ポイント・注意点
振る前は液体にそれほど濁りやとろみがありません。濁りやとろみが出るまでひたすらシャカシャカ振ります。楽そうだなぁと思っていたら結構大変。
筋トレと割り切って前向きな気持ちでシャカシャカ振ります。20分後くらいには濁り・とろみが出てきました。疲れた。
5. 型に流し込む
液体が飛び散る可能性があるので
- ゆっくり
- 焦らず
- 静かに
型に液体を流し込みます。
6. 保温する
石鹸が固まるまで温度の変化が少ない場所で保温します。念のため手袋着用で。発泡スチロールがなかったのでフタつきの箱で代用しました。毛布やタオルでくるんでもいいみたいです。
本当はちょろちょろ箱を開けてはいけないらしいけれど気になって仕方がないので何度もチェック。暑かったせいか数時間後には固まっていました。
7. 表面が乾くまで待つ
石鹸が固まったら箱(発砲スチロールなど)から出して表面が乾くまでさらに放置します。
あまりにも簡単だったのでキャノーラオイルやマッサージオイル(ホホバ・アーモンド・アボカド)、アプリコットカーネルオイルなど家中のオイルをかき集めてもう1種類作ってみました。
そしたら表面に水滴!品質には特に問題ないようなのでふき取って表面が乾くまで待ちました。
8. 型から出す
固まって表面が乾いたら石鹸を型から出します。
石鹸が熟成するまでは苛性ソーダが残っているそうなので作業は手袋着用で。
キレイに外れるかどうか不安だったけれどパカッとキレイに外れました。
本当は牛乳パックを使ってちょっと無骨な感じの石けんにしたかったけれど、これはこれでまぁいいや。
9. 切る
石鹸を適当な大きさに切ります。
水・お湯を入れれば使えるのでペットボトルの底に残っている分も捨てずにとっておくことに。
10. 熟成させる
風通しのよいところで1ヵ月~2ヵ月くらい熟成させれば完成です。
追加で作った石鹸はなぜかピンク色です。
いかにも石鹸な感じ。使うのが楽しみです。
水やお湯を入れて使う予定なのでペットボトルに残っている石鹸も熟成中です。
【追記】作りすぎた簡単手作り石鹸の使い心地をレシピ・材料別に比較してみました。
まとめ
というわけで、まだ作った石鹸を使っていないけれど本当にペットボトルで石鹸を作ることができました。
意外に簡単でびっくり。
一度作ってしまえば使う道具も手順もなんとなく記憶に残るし、後片付けも楽ちんです。
オイルの組み合わせや分量などまだまだ分からないことだらけとはいえ、自分にも石鹸を作ることができた!ということが単純に嬉しいです。
そんなわけで「やってみたいけれど・・・」となんとなく躊躇しているなら、簡単・手軽・安全なペットボトル石鹸作りがおすすめです。
【追記】ペットボトルで作るオリーブオイル石鹸の作り方・レシピをまとめてみました。
【追記】使い道広がる!固形石鹸を液体にする方法をまとめてみました。
【追記】作りすぎた簡単手作り石鹸の使い心地をレシピ・材料別に比較してみました。
【追記】熟成1年!オリーブ・ココナッツ手作り石鹸の熟成期間による使い心地の違いをまとめてみました。
【追記】手作り石鹸の使用期限や酸化の原因と対策、保存方法などについて調べてみました。
いろいろ作ってみたい。