ペットボトルでオリーブオイル石鹸を手作りしてみた!作り方

いつかやってみたいと思いながらも、準備や後片付けが面倒くさい、苛性ソーダが怖い、なんだか難しそう、という感じでいつもあきらめていた石鹸作り。

ペットボトルを使ってより簡単に・より安全に石鹸を作ることができるらしいとの情報を発見したので早速試してみたところ、本当にペットボトルで石鹸を作ることができました。

意外に簡単!まだまだ作れそう!というわけで今回はキャスティール石鹸、カスティール石鹸といわれるオリーブオイル石鹸を作ってみることに。

ペットボトルを使って石鹸を作る方法や手順、オリーブオイル石鹸の材料、作り方・レシピなどをまとめてみました。

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オリーブオイル石鹸作りチャレンジ

キャスティール石鹸・カスティール石鹸(Castile Soap)とは?

料理やコスメ作りなどに活躍しているオリーブオイル。

そもそもキャスティール石鹸・カスティール石鹸ってなんだろう?と思い、ザッと調べてみました。

In earlier centuries, an all-vegetable-based soap was made in the Castile region of Spain from local olive oil.

スペインのCastileという地名が由来の植物油(オリーブオイル)ベースの石鹸、ということではないかと。たぶん。

オリーブオイル100%の石鹸もあれば、ドクターブロナー(Dr.Bronner’s)のようにオリーブオイルの他にホホバオイルやココナッツオイルなどが入っている石鹸もあるようです。

とりあえず、ベースがオリーブオイルの石鹸ってことでいいんじゃないかと思われます。

『Dr. Bronner’s Magic Soaps』FAQs

目標1.ドクターブロナーマジックソープ

なんとなく、キャスティール石鹸といえばドクターブロナーのマジックソープ!というイメージがあるのでマジックソープみたいな石鹸を作ってみたいなぁと。

何がマジックなのだろう?と調べてみると、どうやら18通り(人によってはそれ以上)の使い道がある、まさにマジックな石鹸のようです。

シャンプーやボディソープとしても使えるし、掃除にも使えるし、フルーツを洗ったり、ハミガキにも使えるなど18通りの使い方がいろいろ。

『Dr. Bronner’s Magic Soaps』FAQs

【追記】ドクターブロナーマジックソープを使ってみた感想をまとめてみました。

目標2.アレッポのオリーブ石鹸

オリーブオイルの石鹸と聞いて真っ先に思い浮かぶのはアレッポのオリーブ石鹸!

アレッポのオリーブ石鹸のように深みのある、趣のあるたたずまいのオリーブオイル石鹸を作ってみたいものです。

【追記】アレッポのオリーブオイル石鹸を使ってみた感想をまとめてみました。

参考レシピ

調べてみたところ、オリーブオイル石鹸、キャスティール石鹸といってもそのレシピや材料は様々。

パームオイルを使わないレシピ

手作り石鹸の材料としてよく使われるパームオイル。わたしは基本的に使わないことにしています。

アブラヤシの実からとれるパームオイルは石鹸やマーガリン、チョコレート、シャンプー、パン、ポテトチップスなどあらゆるものの原料として世界で最も多く生産されている植物油。

このパームオイル生産用のプランテーション開発に伴う森林伐採、土地を失った地域住民・原住民など、その環境や地域社会に大きな影響を与えており、実は地球環境にも人にもあまりやさしくないオイルだったりするからです。

『WWFジャパン』パーム油 私たちの暮らしと熱帯林の破壊をつなぐもの

ドラッグストアの石鹸コーナーに行くと「この石鹸は持続可能な方法で生産されたSustainable Palm Oil使用」と記載されているものが多いことに気がつきました。

わざわざ「使っているパームオイルはSustainable」とアピールするのはなぜだろう?思っていたら、人や地球にやさしそうに見えて実はそうでもない、という理由があったみたいです。

手作り石鹸のいいところは自分で材料を選べること。なので使うなら「持続可能だよ」と認定されたもの(RSPO)を選ぼうかと。

『WWFジャパン』パームオイルの問題とRSPOについて

シンプルで分かりやすいレシピ

いろいろ検索しているうちになんとなく疲れてきたのでシンプルで分かりやすい、石鹸エキスパートDavidさんのレシピを参考にすることにしました。

よく読んでみると「オリーブオイル100%石鹸はヌルヌルして泡立ちがあまりよくないし、熟成に時間がかかるけれど1回くらいは試してみて」とのこと。

Many soap purists will say that to truly be “Castile” soap, it has to be made from 100% olive oil. Technically, I suppose they are right. And while you certainly can make soap from 100% olive oil, I don’t really like the lather it makes. Some will describe it as “smooth and creamy,” but most will describe it as “slimy.” I encourage you to try it at least once…but just know that the lather is different that what you’re probably used to…and that this soap takes a long time to cure

『About.com』Basic Olive Oil (Castile) Soap Recipes

というわけで

  • オリーブオイル100%の石鹸
  • オリーブオイル80%+ココナッツオイル20%の石鹸(Recipe #4)

を作ってみることにしました。

オリーブオイル石鹸の材料・分量・費用

Castile Soap1

石鹸作りによく使われるピュアオリーブオイルが欲しかったけれど、近所のスーパーには売っていなかったので料理にも使うだろうと思い、大容量エキストラバージンを購入しました。

ココナッツオイルも近所のスーパーで調達。1リットル入りで$20くらいでした。

ミネラルが多いと酸化しやすい石鹸になるそうなので精製水を使っています。

苛性ソーダはスーパーマーケットの洗濯掃除コーナーで発見しました。

日本での販売は薬局のみ、購入の際は印鑑が必要だそうです。

オリーブオイル100%

材料・分量

  • オリーブオイル 600ml
  • 苛性ソーダ 70g
  • 精製水 180ml

費用

気になるので一応計算してみました。

  • オリーブオイル(4L入り$18.99) 600ml → 約$2.85
  • 苛性ソーダ(500g入り$4.83) 70g → 約0.68
  • 精製水(5L入り$3.25) 180ml → 約$0.12

合計 約$3.65

なんか安い気がする!

オリーブオイル80%+ココナッツオイル20%

材料・分量

  • オリーブオイル 480ml
  • ココナッツオイル 120ml
  • 苛性ソーダ 70g
  • 精製水 180ml

費用

  • オリーブオイル(4L入り$18.99) 480ml → 約$2.28
  • ココナッツオイル(1L入り$20.00) 120ml →約$2.40
  • 苛性ソーダ(500g入り$4.83) 70g → 約0.68
  • 精製水(5L入り$3.25) 180ml → 約$0.12

合計 約$5.48

市販のオリーブ石鹸よりお手頃価格って感じです。

分量計算・アルカリ計算

ちなみに苛性ソーダと精製水の量はこちらのサイトを参考にして算出。

『The OzCalc Soap Calculator』

「石鹸 手作り 計算」などのキーワードで検索すれば、算出サイトがいろいろ見つかります。

『uki☆uki☆せっけんライフ』アルカリ計算機&石けんシミュレーション

自分が使いやすいものを使えばいいんじゃないかと。

ペットボトルで作るオリーブオイル石鹸の作り方・手順

用意した道具

PET Bottle Soap Making Tools

  • 2リットルペットボトル → ヒビや割れがないことをしっかり確認
  • はかり → デジタルを持っていないのでアナログ(本当はデジタルの方がいいらしい)
  • 計量カップ → 水やオイルを計量するため(耐熱ガラス計量カップが便利)
  • じょうご(ろうと) → 苛性ソーダを入れるときにこぼれないようにするため
  • テーブルスプーン → 苛性ソーダ用(古いスプーンでOK)
  • プラスチック容器 → 型として使用(牛乳パックやシリコン型でもOK)
  • ゴム手袋 → 肌を守るため
  • マスク・布・タオル → 口元を覆うため(マスクがなかったので適当な布で代用)
  • 安全めがね・ゴーグル → 目を守るため(できればあった方がいい)
  • ビニール袋 → 液体がこぼれないようにペットボトルを包むため
  • 箱 → 保温用(毛布やタオルでくるんでもOK)

服装は基本的に汚れてもいいような長袖・長ズボン。

持っていないので着用しなかったけれどエプロンもあるとよろしいかと。

できればマスクも着用したいところです。

1. 精製水を計量する

PET Bottle Soap Making1

  • 精製水を計量する
  • 計量した精製水をペットボトルに入れる

みたいな感じです。

2. オイルを計量する

続いてオイルを計量。

オイルの出番=苛性ソーダ水とオイルを混ぜるとき。なので混ぜる直前までそのまま放置します。

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事前に準備しておくと流れがスムーズになるというだけの話なので、苛性ソーダ水と混ぜる直前に計量しても問題ありません。

3. 苛性ソーダと精製水を混ぜる

苛性ソーダ登場。ポイズン。

はじめて苛性ソーダを使うときはドキドキします。

必ず手袋着用、できれば安全めがねとマスクも着用したいところです。

作業の流れ

  1. 苛性ソーダを計量する
  2. じょうご(ろうと)をペットボトルの入り口に設置する
  3. ペットボトルの中に少しずつ苛性ソーダを入れる
  4. ペットボトルをゆっくり動かしながら苛性ソーダをしっかり溶かす

コツ・ポイント・注意点

Soap Making Lye2

  • シンクに水をはっておく
  • 精製水の中に苛性ソーダの順番で入れる(苛性ソーダに精製水という順番は危険)
  • 一度に大量の苛性ソーダを入れると温度が急激に上昇するので数回に分けて入れる
  • 出てくる蒸気は有毒なので吸わない

わたしは小心者なので息を止めながら、スプーン1杯ずつ、ゆっくりと苛性ソーダを入れています。スローモーションな感じ。

少しずつ苛性ソーダを入れてもペットボトルが結構熱くなるのでシンクに水をはっておくとよろしいかと。

ちなみにペットボトルのフタを閉めたときにボトルが熱によって変形しました。

なので基本的にはペットボトルのフタを閉めずにペットボトルをゆるやかに動かしながら苛性ソーダを溶かすようにしています。

苛性ソーダが溶けずにペットボトルの底にたまっている場合のみ、フタを閉めてペットボトルを軽く上下に振ってみるとよろしいかと。

4.苛性ソーダ水とオイルを混ぜる

ここでオイルの登場です。

引き続き手袋着用、できれば安全めがね着用で作業を進めます。

作業の流れ

  1. ペットボトルを触ってみて苛性ソーダを溶かした水が手で触れるくらいの温度(人肌くらい)になったらペットボトルの中にオイルを入れてフタをする
  2. ペットボトルをビニール袋に入れる(万が一液体がもれたら危ないのでさらに毛布やタオルで包んで保温してもOK)
  3. 液体が濁ってとろみが出るまでシャカシャカ振り続ける

コツ・ポイント・注意点

液体はサラサラの状態です。かなり疲れる作業なので「これは筋トレだ!」と思いながらシャカシャカ振るのがよろしいかと。

シャカシャカすること約30分。なかなか濁りやとろみが出なくて、ちょっと焦りました。が、サラサラからドロドロになり、濁ってきました。

5. 型に流し込む

コツ・ポイント・注意点

液体がパシャッと飛び散る可能性があるので

  • ゆっくり
  • 焦らず
  • 静かに
  • 落ち着いて

石鹸のタネを型に流し込みます。

固まり具合にムラができたり、切りづらくなったりするので、型は縦ではなく横にした状態で液体を流し込むのがよろしいかと。

【追記】型は縦ではなく横!失敗したので作り直し

前回はプラスチック容器を使ったけれど、牛乳パックを使っている人が多かったので今回はみんなのマネをして紙パックを使ってみることに。

Castile Soap2

オリーブオイル100%は問題なし。オリーブオイル80%+ココナッツオイル20%は手抜きで紙パックを縦の状態で液体を流し込んでしまったので固まり具合にムラができました。最悪。

Castile Soap4

悔しいので分量を倍にして再度作り直しました。紙パックはもうないので今回はプラスチック容器を使うことに。いい感じです。横に均一なので固まるのも早かった気がします。

Castile Soap5

【追記】失敗した石鹸は捨てずに風通しのよいところでしばらく放置(熟成)。その後、固形から液体にしてみました。

6. 保温する

Soap Making Box

石鹸が固まるまで温度の変化が少ない場所で保温します。

念のため手袋着用で液体が入っている容器を移動させます。

わたしは家に発泡スチロールがなかったのでフタつきの箱で代用しました。

毛布やタオルでくるんでもいいみたいです。

前回はすぐ固まったけれど、今回は完全に固まるまで1週間ほどかかりました。

気長に放置していればそのうち固まると思います。

7. 表面が乾くまで待つ

石鹸が固まったら箱(発砲スチロールなど)から出して表面が乾くまでさらに放置します。

8. 型から出す

固まって表面が乾いたら石鹸を型から出します。

石鹸が熟成するまでは苛性ソーダが残っているそうなので作業は手袋着用がよろしいかと。

9. 切る

Castile Soap3

紙パックに入れたオリーブオイル100%石鹸は素朴な印象の石鹸に。

オリーブオイル100%だからなのか、紙パックを使う際の要領を得ていないからなのか、石鹸がポロポロ崩れました。

でもいい感じ。

10. 熟成させる

Castile Soap6

風通しのよいところで1ヵ月~2ヵ月くらい熟成させれば出来上がり!

【追記】作りすぎた簡単手作り石鹸の使い心地をレシピ・材料別に比較してみました。

まとめ

憧れのオリーブオイル石鹸。

あまりにも簡単なので調子に乗って作りすぎました。

ペットボトル石鹸作りは準備や後片付けも楽ちん。

シャカシャカは疲れるけれど手軽・安全なので「今度はあれも作ってみよう」と前向きな気持ちで石鹸作りができます。

【追記】ドクターブロナーマジックソープを使ってみた感想をまとめてみました。

【追記】アレッポのオリーブオイル石鹸を使ってみた感想をまとめてみました。

【追記】使い道広がる!固形石鹸を液体にする方法をまとめてみました。

【追記】作りすぎた簡単手作り石鹸の使い心地をレシピ・材料別に比較してみました。

【追記】熟成1年!オリーブ・ココナッツ手作り石鹸の熟成期間による使い心地の違いをまとめてみました。

【追記】手作り石鹸の使用期限や酸化の原因と対策、保存方法などについて調べてみました。

オリーブが好きだ!

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