適当ソーイング歴約10年=適当ミシン歴約10年。
糸調子の合わせ方が分からない。ミシンの異音を無視して無理矢理縫う。失敗するとミシンのせいにする。こんな感じでなかなか「ほぼ初心者レベル」から脱することができません。
そんな中、長い間わたしを悩ませていた「布裏で糸がぐちゃぐちゃ問題」があっさり解決。原因と対策を調べて冷静に対処することでそれまでの不具合がウソのように改善されました。
それ以来「すべての原因は自分自身にある、すぐ故障だ!と騒ぐのはやめよう、ミシンに八つ当たりするのはやめよう」と心を入れ替える決意をしました。
で、次の課題。課題はたくさんあるけれど中でも一番苦手なのは下糸巻き。糸をボビンに巻く作業です。
ゆるゆる・もこもこ・パフパフのボソッとした巻き上がり。説明書通りにやっているのにピシッと均等に巻くことができません。糸が突然ボビンから外れてしまうこともあります。
調子がいいときは3回目くらいで成功。調子が悪いときは5~10回くらい巻きなおしすることも。縫うときは「どうか下糸がなくなりませんように」と念じながら縫っています。
でも冷静に考えてみると「何度か巻きなおしすれば上手に巻ける=失敗要因を明確にすれば成功する確率が高くなる」ということ。イライラも減るし、糸も無駄にしなくて済むはずです。
ミシンの下糸をキレイに巻きたい!苦手な下糸巻きを克服!
ボビンの巻き方のコツやトラブル対処方法、チェックポイントなどをまとめてみました。
目次
トラブル:下糸が上手く巻けない!何度も失敗する!
説明書通りにやっているのに上手に巻けない!
わたしが遭遇するトラブルです。
症状1:巻き上がりがゆるい
一番多いトラブルです。糸がゆるゆる・もこもこ・パフパフ。
横から見るとぐちゃぐちゃ。ピシッとキレイに巻けません。
何度も失敗するので糸も無駄になります。
症状2:糸が勝手に糸巻き軸に絡みはじめる
フットコントローラーを踏みながら「ボビンに糸を巻きはじめたな」と思った瞬間、突然ボビンから糸が外れて糸巻き軸に絡みはじめる、という不思議な現象です。
「そっちじゃないってば!」と叫びたくなります。
症状3:ストレスがたまる
- 「下糸はこれで間に合うだろうか」とドキドキしながら下糸をセットする
- 「下糸がなくなりませんように」とドキドキしながら縫う
- 縫っている途中に下糸がなくなるとかなりショック
- 「1回目で成功するだろうか」とドキドキしながら下糸を巻く
- 失敗する
- 「今度こそ成功しますように」とドキドキしながら下糸を巻く
- また失敗する
- ドキドキがイライラに変わる
- 「今度失敗したら許さない」とイライラしながら下糸を巻く
- またまた失敗する
- やる気を失う
- ミシンが嫌いになる
といった感じで下糸に対してかなりストレスを感じています。
対処方法:糸をボビンに巻くときのコツ・ポイント
ミシンに向かって暴言を吐いたり、イライラしたり。
そんなわたしの姿を見かねて夫は古いSINGERミシンを家に持ち帰ってきました。どこかで拾ったのか。誰かにもらったのか。びっくりするほど重いミシンです。
「踏む部品とテーブルは持ち帰ってこれなかったけれど横のくるくる回る部分が動くから修理すれば使えるかもよ」だそうです。
使えるかどうかは別として、そういえば昔、裁縫好きの祖母もこんな感じのミシンを大切に使っていたなぁと。なんだか懐かしい気持ちになりました。
そんなわけでこのままではいけない!ミシンのせいにしてはいけない!下糸への苦手意識を克服しよう!と決意。
そこで困ったときのブラザーミシンです。「布裏で糸がぐちゃぐちゃ問題」でもお世話になりました。
『ブラザー』よくあるご質問(Q&A)糸をボビンに巻くとき、どうすればよいですか?(下糸の巻き方について)
いろいろやってみて特に重要だと感じたポイントをまとめてみました。
糸を皿(ボタン電池みたいな銀色の部分)の奥までしっかり入れる
糸が皿の奥までしっかり入っていることを確認してください。奥までしっかり入っていないと、糸をきれいに巻くことができません。
下糸巻き案内・皿と呼ばれているボタン電池みたいな銀色の部分に糸をかけるときは「奥までしっかり入れる」こと。
これは本当に大切なポイントです。わたしは糸を奥までしっかり入れることを意識しはじめてから失敗する回数が大幅に減りました。
説明書にも「奥までしっかり入れる」なんて書いていないので、世の中の「下糸が上手に巻けない問題」のほとんどはこれが原因ではないかと思うくらいです。
悪い例
これは悪い例。パサッとかけただけ。
糸が奥までしっかり入っていない=糸がゆるゆる=巻き上がりもゆるゆるです。
良い例
糸が奥までしっかり入っています。
糸が奥までしっかり入る=糸がピンと張る=しっかり巻くことができます。
キレイに巻けた!
パチン・カチッと音がすることを確認する
ボビンのミゾと下糸巻き軸バネの位置を合わせて、ボビンを軸に差し込みます。軸にセットしたボビンをカチッと音がするまで右側に押します。
音も大切なポイントです。
ボビンを糸巻き軸にセットするとき
ボビンの小さな溝と糸巻き軸の小さな突起の位置を合わせて「パチン」と音がするまでボビンを差し込みます。
これまで音なんて意識したことがなかったけれどパチンと音がするまでボビンを差し込むことで「突然糸がボビンから外れて糸巻き軸に絡む」といった現象がなくなりました。
ボビンを糸巻きポジションにセットするとき
ボビンを糸巻き軸にセットしたら「カチッ」と音がするまで右側(=糸巻きポジション)に押します。
ミシンに合ったボビンを使う
必ず純正ボビンをご使用ください。
わたしはミシンを買ったときに付属品として付いてきたプラスチック製ボビンと追加購入したシンガーやブラザー、ジャノメなどメーカー共通のプラスチック製ボビンを使っています。
何度も失敗するけれど最終的にはピシッと均等に上手に巻けるので、使っているボビンはミシンに合っているといえます。なので悪いのはボビンではないだろうと。
ちなみに先代ジャノメミシンの銀色ボビンは使えませんでした。残念。
糸を差し込む方向
下側から手前に糸が出る向きにして差します。正しい向きにセットしないと、糸たて棒に糸がからまることがあります。
糸は下側から手前にくるようにセット。
上から手前じゃなくて下から手前、下から手前。
糸こま押さえをしっかり押し込む
糸こまが糸たて棒の右端までいくように右いっぱいまで差し込みます。
先の方にちょろっと差し込むのではなく、しっかり差し込んで糸こまを固定します。
糸こまに合った大きさの糸こま押さえを使う
糸こま押え 大/中/小 は糸こまの大きさに合わせてご使用ください。糸こまより小さい糸こま押えを使用すると、糸こまの切り欠きなどに糸が引っかかり、故障の原因となります。
糸こまよりはるかに小さい糸こま押さえ。これは悪い例です。
糸こまの大きさに合った糸こま押さえを使うことが大切です。
まとめ
こうして見てみると下糸が上手く巻けない原因は「なんだこんなことか!」というものが多い印象です。ミシンは意外に繊細です。
失敗の原因やコツ、チェックすべきポイントが明確になったことで、まぐれではなく、ほぼ毎回ピシッとキレイに巻けるようになりました。成長です。
たまに失敗しても「ここが怪しい」と原因を予測できるようになったので気分的にも楽です。
下糸がなくなる!とドキドキしたり、また失敗か!とイライラしたりすることもだいぶ減り、ソーイングがさらに楽しくなりました。
まだまだ使いこなせていないものの、ミシンとの距離がちょっと縮まった気がします。
そんなわけで「下糸が上手く巻けない問題」には
- 糸が皿の奥までしっかり入っているか?
- 「パチン」「カチッ」音が確認できたか?
- ミシンに合ったボビンを使っているか?
- 糸を正しい向きにセットしているか?
- 糸こま押さえをしっかり差し込んでいるか?
- 糸こまに合った大きさの糸こま押さえを使っているか?
といったポイントを確認しながらイライラせず冷静に対処することが大切です。
ボビーじゃなくてボビン。