今さらながら日本のベビーカー論争について思うこと
最近「12月は日本に帰るの」といった言葉をよく耳にします。わたしも帰りたい。
まだ半年以上先だというのに一足先にお土産を買ってみたり、成田空港到着後のホテルを調べてみたり、食べたいものリストを作ってみたり。妄想はふくらむばかりです。
そういえば去年の12月はまだ4ヵ月だった息子を連れて日本に里帰りしたなぁと。
当時は「ベビーカーは迷惑」「飛行機の中で泣く赤ちゃんには睡眠薬を」みたいな話題を見かけることが多かったので、最悪の事態に備えてオーストラリア出発前にいろいろと調べた記憶があります。
気になるベビーカー論争
去年の里帰りを思い出しながら懐かしい気持ちに浸っていたところ、またまた気になるベビーカー論争発見。
10月上旬に話題になったようでまだ論争がつづいていることに驚き。
こんな論争が起きること自体とても興味深いです。
論争の発端となっているにはこちらの記事。
『PRESIDENT Online』日本男子は、なぜベビーカー女子を助けないのか
アクセスアップを狙ったいわゆる炎上狙い・釣りといわれる記事なのだそう。それでも個人的にはすごい寒気と気持ち悪さを感じる内容です。
田舎に行けば状況は異なるだろうし、サッと手を差しのべてくれる紳士な日本男子もたくさんいるはず。
「日本男子」とひとくくりにするのはどうしたものかと。自分が日本男子でもないのになんだか腑に落ちない感じです。
ベビーカーではないけれどマタニティマークってのも本当に必要なのかどうか、個人的にはちょっと疑問に思う部分があります。
ベビーカー論争みんなの言い分いろいろ
なんとなく終わりが見えないベビーカー論争。
気になったので他にもいろいろとベビーカーにまつわる体験談などを読みあさってみました。
公共交通機関使うな系
- とにかく迷惑
- ベビーカーなしで外出できないくらいの子どもと外出するな
- 外出したいなら自家用車で行け など
公共交通機関を使う権利はみんなに平等に与えられた権利ではないかと。
公共交通機関使ってもいいけどさぁ系
- 満員電車に乗るな
- 電車に乗るならベビーカーたため など
わたしも都内の通勤ラッシュを経験したので気持ちは分かります。満員電車の中でベビーカーを見ると「ちょっと狭いよ、危ないよ」と。
ただお母様方もそんな危険性が高くて邪魔者扱いされるような満員電車には乗りたくないのではないかと思います。
それでもどうしてもその時間帯に電車に乗らなければならないような、やむを得ない事情もそれぞれあるのではないかと。
電車に乗るなら場所を取るベビーカーをたたむべきかもしれないけれど、子どもを抱っこしながらたたんだベビーカーを持って歩くことはかなり大変だと思います(そんなに大変なら外出すんなって言い分もあるけれど)。
たたむと意外にゴツゴツしていて邪魔だったりするので、たたんで乗車しても結局「邪魔だ」と言われるのかなぁと思ったり。
ちなみに巨大なベビーカーを好む人が多いオーストラリアではどんなに混み合っているバスや電車の中でもベビーカーをたたんで乗車している人を見たことがありません。
車内も広いし、たたんで運べるような重さでもないからだと思われます。
ベビーカー完全否定系
- 親が楽をするための道具
- 甘え
- 怠惰
- 手抜き子育て
- おんぶ・抱っこしろ
わたしの時代はこうだった・苦労している方が偉い・がんばっている方が偉いみたいな苦労自慢系。
時代は変化するもの。そんなこと言うなら炊飯器も電子レンジも掃除機も使わなければいいのです。
ちなみにわが家のベビーカーはマクラーレン(MACLAREN)。
夫のお母さんが「息子が小さい頃、わたしもマクラーレン使ってたのよ」と喜んでいました。ベビーカーってそんな昔からあったんだ、とちょっと驚き。
迷惑をかけないように涙をこらえながら必死にがんばっているママもたくさんいるはずです。
短絡的にベビーカーは手抜きだ甘えだと批判するのはいかがなものかと。
とにかく気にいらねぇんだよ系
- 特別扱いされて当然と思うな
- 周りに気をつかえ
- マナーがなさすぎ など
中にはわたしは子連れだから特別扱いされて当然よタイプもいるだろうけれど全員ではないはず。
場所を取るベビーカーは使う側も周囲への配慮・公共の場でのマナーを忘れてはいけないと思います。
論争は終わらない気がする
諸悪の根源は?
オーストラリアの面積は日本の国土の約20倍。日本の人口はオーストラリアの約6倍。
ベビーカーの存在やベビーカーを使っている人たちがどうこうではなく、そもそもの原因は人口密度の高さではないかと。
あれだけ人口が密集していれば電車に乗るだけでもストレスを感じるはず。
わたしも通勤の満員電車が大嫌いでした。
夫ははじめて日本に行ったとき、駅構内の人の波に酔ってしまい気持ちが悪くなり床に座りこんだくらいです。
お互いさま
ベビーカー問題にまつわる経験や感じ方、考え方は人それぞれ千差万別。環境や文化の違い、価値観の違いなどいろいろ複雑。
自分が気づかないだけで香水や体臭によって誰かを不快にさせているかもしれない。
目には見えないだけで迷惑をかけていることってたくさんあると思います。
そこはお互いさまなのかなぁと。
まとめ
困っているのかなと思ったら大丈夫?とほんの少し気づかってみる。
ちょっと大変そうな人がいるなと思ったら手を差しのべてみる。
感謝の言葉もなく「年寄り扱いするな」「放っておけ」と言われたら、あぁかわいそうな人がいるなぁくらいに思って気にしない。
疲れているときや心に余裕がないときは無理をする必要ないけれど、自分もいざとなったら誰かにサッと手を差しのべられるくらいの余力は残しておきたいなぁと感じます。
ニュースで様々な論争があることを知り、日本って怖いわぁ都会って怖いわぁと去年ビクビクしながら日本に帰国したわたしはそんなさりげないやさしさにたくさん触れることができました。
あんなに心配していろいろ調べて損したなぁと。
不思議なものでやさしく手を差し伸べてくれた人たちの顔や言葉、その場面はずっと記憶に残っています。
雨の日もおでかけ。息子はカバーについた水滴を見て楽しそうにしています。