ふと思い立ちサクサクのパイ生地作りにチャレンジしてみたところ、レシピ通りに作ったにもかかわらず、せんべいか!と思うほどバリバリ・ボリボリになってびっくり。
パイ生地といえば強力粉。強力粉だと思っていたものが実は強力粉ではないと知ってさらにびっくり。
オーストラリアに住んでかれこれ9年。今さらながらややこしいオーストラリアの小麦粉事情に驚きとショックを隠し切れません。
薄力粉、中力粉、強力粉。日本語でもその種類や違いを理解するのが難しいというのに、英語だとなおさらややこしい。
売っている小麦粉の意味が分からない!種類や違いが分からない!海外生活あるある!
オーストラリアの小麦粉事情についてまとめてみました。
目次
日本の小麦粉事情
まずは日本の小麦粉事情を調べてみることに。
グルテン=たんぱく質だとはじめて知りました。強力粉→強い、中力粉→真ん中、薄力粉→弱い、みたいな感じだろうと勝手にイメージしています。
小麦粉は、小麦粉に含まれるたんぱく質(グルテン)の質と量によって、次の3つに分類するのが一般的です。業務用ではさらに細かく分類され、用途別・等級別に、100種類近い製品が販売されています。
強力粉
- グルテンの量→多い
- グルテンの性質→弱い
- 粒度→粗い
- 原料小麦の種類→硬質小麦
- 主な用途→パン・餃子の皮など
中力粉
- グルテンの量→中間
- グルテンの性質→中間
- 粒度→中間
- 原料小麦の種類→中間質小麦・軟質小麦
- 主な用途→うどん・その他の料理
薄力粉
- グルテンの量→少ない
- グルテンの性質→弱い
- 粒度→細かい
- 原料小麦の種類→軟質小麦
- 主な用途→ケーキ・お菓子・天ぷらなど
オーストラリアの小麦粉事情
小麦粉なんてどこに行っても同じ・小麦粉の種類は世界共通のはず・当然オーストラリアも日本も同じだろう、と思っていたら大間違い!
ちゃんと調べてみたところ、驚愕の事実が判明しました。
パイ生地作り失敗の要因=小麦粉
いつもは冷凍のパイ生地を使っているわが家。
材料をミキサーで混ぜて焼くだけで簡単においしいチーズケーキが作れたので「わたしにもできる!」と調子に乗って、次はパイ生地作りにチャレンジしてみることにしました。
ネット検索で見つけたレシピを参考に
- シート状
- 源氏パイ風のハート型
の2種類を作ってみたものの、焼いてびっくり・食べてびっくり。
これはせんべいか?と思うほどバリバリ・ボリボリ硬いパイ生地になってしまいました。
サクサクじゃない。レシピ通りに作ったのに。なんかおかしい。
思い当たることといえば、スーパーで強力粉を買うときに、どれが強力粉なのか分からず、いろいろと迷った挙句「なんとなく強力粉っぽい響きの小麦粉」を選んでしまったことです。
なんとなく強力粉っぽい響きの小麦粉=Self-Raising Flour
- 持ち上げる
- 上昇させる
- 起こす
といった意味があるRaisingという言葉。
オーストラリアのスーパーで一般的に見られる小麦粉は大きく分けると
- Plain Flour(プレーンフラワー)
- Self-Raising Flour(セルフレイジングフラワー)
の2種類です。
強力粉を英語でなんというか分からなかったので
- Plain Flour→プレーンというくらいだからたぶん普通の薄力粉
- Self-Raising Flour→自分で上昇させる=なんか強そう=たぶん強力粉
と予想してSelf-Raising Flourを購入するに至りました。
で、今回の失敗から「なんとなく強力粉っぽい響きだから」という理由で選んだ小麦粉は実は強力粉ではないのではないか?と思い、これを機会にちゃんと調べてみることに。
驚きました。
わたしが強力粉だと信じて買ったSelf-Raising Flourは実は強力粉ではなく、Baking Powder(ベーキングパウダー・ふくらし粉)入りの小麦粉だということが判明しました。
わざわざ入れるな!ややこしい!Contain Baking Powder(ベーキングパウダー入り)とか書いてくれ!
小麦粉の種類
さらに調べてみたところ、
- Plain Flour→日本のように薄力粉ではなく中力粉にあたる
- Self-Raising Flour→ベーキングパウダー入りの中力粉
- Strong Plain Flour→強力粉
- Baker’s Flour→パン用の強力粉
という感じらしいです。複雑。
『オーストラリア留学センター』オーストラリアの小麦粉を使ってみよう
『GITS International』薄力粉も強力粉もない??パースでお菓子やパンが焼きたい時に。
Plain Flour
たかが小麦粉なのに複雑すぎる、これは自分の目で確認した方が早い、ということで早速スーパーへ。
Plain Flour=普通の小麦粉=中力粉は1種類だと思っていたら、メーカーによっては何種類かあるみたいです。
Super Fine, Mid Protein Plain Flour
全然意味が分かりません。
が、日本の小麦粉の種類と照らし合わせてみると
- 粒度または原料小麦の種類(?)→Super Fine=キメが細かい
- グルテンの量→Mid Protein=中間
- 用途→Pasta=パスタ=麺類
ということで「中力粉みたいなもの」ではないかと予想しました。
Soft, Low Protein Plain Flour
- 粒度または原料小麦の種類(?)→Soft=柔らかい
- グルテンの量→Low Protein=少ない
- 用途→Biscuit, Pastry, Cake=ビスケット・ペストリー・ケーキ=お菓子類
Softがどんなタイプの小麦粉を表現しているのかよく分からないけれど、グルテンの量が少なくてお菓子類に適していることから、どちらかといえば「薄力粉に近いもの」ではないかと。
Strong, High Protein
- 粒度または原料小麦の種類(?)→Strong=強い
- グルテンの量→High Protein=多い
- 用途→Bread, Pizza=パン・ピザ類
ということでこれが強力粉ではないかと思われます。
Self-Raising Flour
- 粒度または原料小麦の種類(?)→Soft=柔らかい
- グルテンの量→Low Protein=少ない
- 用途→Cake, Biscuit=ケーキ・ビスケット=お菓子類
ベーキングパウダーの他にCream of Tartarというなんだかよく分からないものも入っている「薄力粉に近いもの」なのではないかと。
パン・スコーン用ミックス
便利なパン用ミックス発見!ややこしい小麦粉よりミックスの方が手軽に作れそうです。
10キロ!米みたいな感じです。
スコーンミックス!食べたい!
まとめ
なんとなく分かったような気がするオーストラリアの小麦粉事情。
まさか小麦粉にこんなに時間を取られるなんて思ってもみませんでした。
おそらく日本の強力粉・中力粉・薄力粉を基準に考えているからだろうけれど、それにしてもややこしい。
ややこしい!よく分からない!なんてときは
- 強力粉・中力粉・薄力粉の考えを捨ててパッケージに書かれている用途を見て選ぶ
- 最初からミックスを選ぶ
という感じで対応するのがよろしいかと。
【追記】日本は祝日が多い!日本とオーストラリアの祝日一覧・日数をまとめてみました。
小麦粉。