適当ソーイング歴約10年。ミシンの使い方ももちろん適当です。
ミシンが突然停止したり、縫い目がおかしくなったり、針が折れたり。その中でも一番厄介なのが糸がぐちゃぐちゃに絡まるトラブルです。
縫いはじめるとすぐにガタンガタン、ガガガーッと変な音がして全然縫えない。縫えたとしても10cm~20cmくらいのところでまた変な音がして完全停止。
ミシンの上糸は普通に縫えているのに!と思って生地の裏側を見てみると下糸が絡まってぐちゃぐちゃ・もじゃもじゃ状態です。
下糸もキレイに巻きなおした。ボビンを入れる向きも確認した。釜も掃除した。糸調子ダイヤルもいじってみた。
それでもまだ糸がぐちゃぐちゃ・もじゃもじゃで縫えない!イライラする!ミシンが壊れた!ミシンの寿命だ!とあきらめかけたそのとき驚きの事実を発見しました。
なんと布裏でぐちゃぐちゃになっているのは下糸ではなく上糸!衝撃的。で、上糸をいじってみたらそれまでの不具合がウソのように改善され、スイスイ縫えるようになりました。
まず疑うべきは上糸のかけ方・通し方!実際にやってみたことや上糸をかけなおす際のポイントなどをまとめてみました。
目次
ミシンのレベルはほぼ初心者
現在使っているミシンはSINGER(シンガー)。SINGER Traditionとかいうやつです。
その前は夫のお母さんが置いていった古いジャノメミシンを使用。
ある日フットコントローラーを踏んでも動かなくなり、しばらくの間は横のくるくる回る部分を手で回転させながら使っていました。
「いい加減新しいミシン買えよ」と思い、量販店で一番安かったこのSINGERミシンを購入。確か$150くらいでした。
ミシンのレベルは
- 糸のかけ方は一応知っている
- 糸調子の合わせ方が分からない
- 糸調子ダイヤルの数字の意味が分からない
- どれくらいが「ちょうどいい糸調子」なのか判断できない
- 基本は直線縫いだけ
- ジグザグミシンが大の苦手
- 糸をボビンに巻く作業が大の苦手
- 試し縫いは気が向いたときだけ
- 定期的なメンテナンスをしない
- ミシンの異音を無視して無理矢理縫う
- よく針が折れる
- ミシンの全機能を使いこなしていない
- 何か問題があると全部ミシンのせいにする
という感じです。
超初心者ではないけれどほぼ初心者。「よくこんなんで○○の作り方とか世の中にさらせるな」と思うレベルです。
トラブル:糸がぐちゃぐちゃ絡まる!縫えない!
症状
生地の裏側で糸が絡まってぐちゃぐちゃの状態。表側は普通に縫えています。
縫いはじめるとすぐに異音がして全然縫えないときもあれば、最初の10cm~20cmくらいまでは縫えるときもあります。
小さいものならまだしも、カーテンやボックスシーツなど縫う距離が長いものは本当にイライラします。
考えられる原因
布裏で糸が絡まっているので
- 下糸が正しく巻かれていない
- ボビンが合っていない
- ボビンの向きが間違っている
- 釜にホコリや糸くずがたまっている
- 糸調子が合っていない
- 押さえレバーを下げずに縫った
- 使っている糸が変
- 使っている針が変
などが原因だろうと予想しました。
対策としてやってみたこと
良質な糸と新しい針に変えた後、ひたすら手を動かしてみました。
下糸を巻きなおす
ミシンを使う上で一番苦手な作業。失敗が多いので巻くときは説明書を見ながら作業しています。でも失敗します。
3回目くらいでやっと成功。ボビンが悪いのか。自分が悪いのか。
下糸(ボビン)を正しい方向にセットする
入れる方向を間違えていたようで全然縫えない時期があり、後から説明書を見て「方向なんてあったのか!」と衝撃を受けた記憶があります。それ以来このページは常に開いています。
「糸は向こう側に出ている状態でセットしろ」と。糸は向こう側、糸は向こう側と言い聞かせながら正しくセット完了。
釜を掃除する・オイルを塗る
付属のドライバーで針板を開けて掃除したり。
釜?ボビンケース?を取り外して掃除しながら付属のオイルを塗ってみたり。
糸調子を合わせる
数字の意味が分からないので「糸調子ダイヤルを適当に動かして縫ってみる」をくり返しました。
対処方法:原因は上糸!上糸を正しくセットしなおす!
糸変えた。針も変えた。下糸を巻きなおした。ボビンを正しい方向にセットした。掃除した。オイルで手入れした。
それでも縫えない!いよいよ寿命!ミシンの買い替えだ!でも最後にもう一度だけチャンスを!と思いながら少し調べてみることに。
ぐちゃぐちゃの正体は上糸
で、発見しました。
『ブラザー』よくあるご質問(Q&A)布の裏側で糸がぐちゃぐちゃになる。
布地をぬっている時に以下のような状態になる場合、上糸のセットのしかたがまちがっていることが考えられます。
・布の下側で糸がグチャグチャにからんでしまう。
・ぬい始めるとすぐにガタガタと音がして進まなくなる。
・布地の下側を見ると、かまの中まで糸が何重にもからまっている。
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上糸のセットのしかたがまちがっていると、布地を貫通した上糸をしっかりと引き上げることができず、かまの中に上糸がたまり、グチャグチャにからんでしまいます。
まさにこの通りの症状です。
ミシンの構造上のことはよく分からないけれど、とりあえずあのぐちゃぐちゃの正体は下糸ではなく上糸。
上にある糸がわざわざ下まできてぐちゃぐちゃに絡まっている、ということです。
つまり「下糸や下糸関連のものだけいじってみてもあまり意味ないかもよ、ポイントは上糸だよ」ということです。
上糸をかけなおしたらスイスイ縫えるようになった
シンガーではなくブラザーだけれど「同じミシンだもの」と思い、手順に従って(細かい部分はすっ飛ばし)上糸をかけなおしてみたところ、驚くほどスイスイ縫えるようになりました。
掃除とかしてないでさっさと上糸をかけなおせばよかったなぁと。
ミシンの種類や状態、使う人のくせによって多少違いはあるだろうけれど、わたしが今回特に重要だなぁと思ったポイントは以下の4点です。
- 糸を差し込む方向
- 糸こま押さえをしっかり押し込むこと
- 糸こまに合った大きさの糸こま押さえを使うこと
- 押さえ(押さえレバー)を上げた状態で上糸をかけなおすこと
1.糸を差し込む方向
糸こまを横にして、糸が下側から手前にくるように差し込みます。
糸をセットするときは糸が下側から手前にくるように。下から手前、下から手前。
その前は上から手前にくるように差し込んでいた気がしないでもないので、向きを変えて差し込んでみたところ改善されました。
ただ「下から手前」を考えすぎると今度はどの状態が「下から手前」なのか分からなくなってくるので、そんなときは糸を上下逆にして差し込む方向を変えて様子見しています。
2.糸こま押さえをしっかり押し込む
糸こま押えの方向に注意していっぱいまで押し込んでください。
いつも糸こま押さえは先の方にちょろっと差し込む程度。なんとなくゆるゆるでした。
書いてある通りにいっぱいまでギュッと押し込んでみたところ、糸が安定して回転するようになった気がします。
3.糸こまに合った大きさの糸こま押さえを使う
糸こま押え(大)(中)は糸こまの大きさに合わせてご使用ください。糸こまより小さい糸こま押えを使用すると、糸こまの切り欠きなどに糸が引っかかり、針折れの原因となります。
これまで糸こま押さえのサイズなんて気にしたことがありませんでした。
これは悪い例。糸こまに対して糸こま押さえが小さすぎます。
4.押さえを上げた状態で上糸をかけなおす
押えが下がった状態では、上糸を正しくセットできません。
押さえが上がった状態ということは押さえレバーも上がった状態。
押さえが上がった状態=上糸のかけなおしOK。
押さえが下がった状態=上糸のかけなおしはNG。
ミシンは気まぐれ
サクサク縫えるようになったので今度は「これやったらダメ!縫えない!悪い例!」状況を頭の中に叩き込むために実験してみました。
わざとボビンを入れる方向を逆にしたり。
上糸を差し込む方向を反対にしてみたり。
悪い例を再確認するためにわざと反対にしてみたのに「相変わらずサクサク縫える」という結果になりました。
10cmくらい縫ったら停止するかもしれない!と思ったけれど停止しませんでした。
ミシンは気まぐれだと思います。
まとめ
ストレス発散のためにやっているのに「布裏で糸がぐちゃぐちゃ問題」が原因で反対にストレスになってしまったミシンがけ。
このように「布裏で糸がぐちゃぐちゃ問題」は上糸のかけなおしであっさり解決しました。
サクサクスイスイ縫える感覚が最高です。
最初からあのぐちゃぐちゃの正体が上糸だと分かっていたら、何度も掃除したり、下糸を巻きなおしたりしなくてもよかったのに!とは思うけれど、いい勉強になりました。
そんなわけで「布裏で糸がぐちゃぐちゃ問題」には
- ぐちゃぐちゃになっているのは下糸ではなく上糸
- 掃除や下糸よりまずは上糸のチェックが先決
- できれば下糸もかけなおす
といった対処が時間と労力を無駄にしないコツです。
【追記】ミシンの下糸が上手く巻けない!ボビンの巻き方のコツをまとめました。
メーカー共通ボビン。