行動範囲が広くなり、力も強くなってきた息子。
たまには身動きが取りやすいリュックを使ってみようかと思い、久しぶりにアウトドアリュックを引っ張り出してみたころ、びっくり!
内側にボロボロ・ベタベタした気持ち悪い謎の物体がいっぱい付着していました。
調べてみたところ、どうやらボロボロ・ベタベタの正体は防水加工ポリウレタンコーティング(PUコーティング)の経年劣化によるものだと判明。
寿命かもしれない。でも破れているわけでもない。壊れているわけでもない。捨てるのはもったいない。この気持ち悪いボロボロ・ベタベタさえなくなれば使えるはず!
そんな中「ザック・バックパックのべたつきやボロボロ除去には重曹」との情報発見。これは!と思い、早速試してみることにしました。
お気に入りリュックサック復活!ナイロンバッグ内側のボロボロ・ベタベタがキレイに落ちる!
リュック・バックパック内側のボロボロ・ベタベタ画像や重曹洗濯の様子をまとめてみました。
目次
お気に入りリュック
青春18きっぷで1人旅をするときに買った、思い出いっぱいのエーグル(AIGLE)のアウトドアリュックです。この色味に一目惚れ。懐かしい。
買ったのはかれこれ17年以上前。古いです。この間に自分も劣化したのでリュックが経年劣化するのも当然です。
普段使いには少し大きいけれど、ビーチに行くときや日本に帰るときにちょうどいい感じの大きさだなぁと。
お気に入りといいつつ、なかなか使う機会がなかったので長い間放置していました。
さらに気持ち悪いボロボロ・ベタベタまで付けてしまってなんだか申し訳ない気持ちでいっぱいです。
劣化した防水ポリウレタンコーティング(PUコーティング)
ボロボロ
リュックに付着していたボロボロ。乾燥している感じです。最初見たときは変な虫が大量発生したんじゃないかと思い、一瞬全身に寒気が走りました。
よく見ると粉みたいな膜みたいな感じ。繊維の奥までびっしりです。もしかしたら変な虫もまぎれているんじゃないかと。何度見ても寒気がします。
ベタベタ
リュックの中をのぞいてみるとボロボロの乾いた粉ではなくベタベタ・ベトベトの膜。湿っぽいようなカビっぽいようなニオイも気になります。
外ポケットの中にもびっしり。本当に気持ち悪いです。
他のリュックのボロボロ・ベタベタ確認
「もしやボロボロ・ベタベタはナイロンバッグの宿命?」と思い、他のリュック・ザックも念のため確認してみることにしました。
大きめザック
約13年前イギリス放浪中に買った65Lサイズのザック。ビクビクしながら引っ張り出しました。おそるおそるザックの内側を見てみるとなんとボロボロ・ベタベタなし!
ザックカバー・レインカバー付きなので、そもそも防水コーティングが施されていないのかなぁと予想。レインカバー自体にもポリウレタンコーティングは施されていないようです。
子供用リュック
約2年前に友達から出産祝いでもらったノースフェイスの子供用リュック。子供用もしっかり防水加工されています。
内側も防水加工。まだべたつきはないものの、触るとペタペタした感触。いつかボロボロ・ベタベタになりそうな予感がします。
劣化は避けられない
ノースフェイスやグレゴリーなどのアウトドア系ブランドはじめ、レスポートサックなどアウトドア系以外のブランドも、ショルダーバッグもポーチもマウンテンパーカーも。
例外はあるにせよ基本的にポリウレタンコーティングが施されているものは「経年劣化は避けられない、いつかボロボロ・ベタベタになる運命にある」と思っておいた方がよさそうです。
ポリウレタンコーティングの経年劣化には重曹
なんだか気持ち悪いボロボロ・ベタベタ。
試しにガムテープでペタペタやってみたり、ブラシでこすったりしてみたものの、取れる気配がまったくありません。
普段使い用に欲しいなぁと思っているカリマー(Karrimor)のリュックはオーストラリアに売っていないし、やっぱり、このエーグルが好きなので復活させよう!と心に誓いました。
で、発見。
- ポリウレタンは水と反応する=加水分解=劣化
- 水と反応する=空気中の湿気にも反応する
- 保管方法にもよるが性質上、劣化を100%避けることはなかなか難しい
そこで重曹!
ポリウレタンの加水分解による有機化合物(ベトつきと臭いの元)は酸性なので、これをアルカリ性である重曹(炭酸水素ナトリウム)で中和・除去するという原理です。当然ながら、これはまだ劣化していないPUコーティングには影響ありません。
ただし!
コーティングを除去することで、元々の防水性は失われますので、パッキングで対処するか、必要であればあらたに撥水・防水加工を行います。
もともと防水加工されていることすら知らなかったので、この辺は問題ではないと判断。
とにかくこの気持ち悪いボロボロ・ベタベタを取りたい!というわけで重曹で除去してみることにしました。
重曹でリュックのボロボロ・ベタベタを除去する方法
用意するもの
1.重曹
食用でも掃除用・工業用でもどちらでも。
わたしは食用しか見たことがないので食用を使いました。
分量はリュックの大きさや汚れ具合に応じて適当に。
今回はおそらく200g以上は使ったのではないかと思います。
2.たわし・ブラシ
ボロボロ・ベタベタをゴシゴシこすり落とすために使います。
細かい部分までゴシゴシできるタイプがおすすめです。
古いハブラシも使えるんじゃないかと。
ボロボロ・ベタベタ除去の手順
1.外せる部品を全部外す
ベルトなど外せる部品は全部外しておきます。
2.お湯を入れる
バケツやシンク、大きい洗面器にお湯を入れます。大きいザックならバスタブでもよろしいかと。
お湯の温度は45℃くらいのぬるま湯がいいそうです。
わが家は温度設定ができないので水道から出てくる結構熱めのお湯をそのまま使いました。
3.お湯の中に重曹を入れる
お湯の中に重曹を入れて溶かします。
4.リュックを入れて押し洗いする
重曹を入れたお湯の中にリュックを入れて押し洗いします。わたしはリュックを裏返した状態で洗いました。汚いです。本当に汚いです。
お湯が熱いのでトングで押し洗い。
気休めに重曹を追加投入。
さらにトングで押し洗い。にごり湯です。
5.つけおきする
そのまま放置して1日つけおきします。
翌朝の状態です。はがれたPUコーティングのカスが浮いているかなぁと思ったら何も浮いていません。粉や膜が溶けてふにゃふにゃです。
外ポケットにもふにゃふにゃがいっぱいです。
6.ポリウレタンコーティングをこすり落とす
PUコーティングをたわしやブラシでこすり落とします。
たわしで軽くこすってみたところ、ふにゃふにゃがキレイに取れました。
7.すすぎ・脱水・干す
ポリウレタンコーティングが除去できたら、後は「すすぎ→脱水→干す」だけです。
わたしはリュック本体、左右のポケット、上側のポケットなどあまりにも範囲が広すぎて疲れてしまったのでとりあえず洗濯してみることに。
「ゴシゴシこすり落とさなくてもふにゃふにゃの状態で洗濯すればキレイになるかも!」なんて淡い期待をよせつつ、洗濯ネットに入れて普通に洗濯しました。
8.劣化したPUコーティングが残っている場合は除去作業をくり返す
まだ劣化したPUコーティングが残っている場合は1~7をくり返します。
ボロボロ・ベタベタ除去完了
1回目の除去作業
あんなに汚かったリュックがこんなにキレイに!カビっぽい嫌なニオイもなし!
手抜きでゴシゴシしなかった細かい部分にはまだ残っています。ちぇっ。でも劣化していない部分は落とせないらしいので「まだ劣化していない」とも考えられます。
この辺は合格。がんばった。あともう少しです。
面倒くさかったので全然ゴシゴシしなかった外ポケット。ふにゃふにゃになった物体が乾いてピタッとはりついている感じです。次回はここを中心にゴシゴシしてみようかと。
【追記】2回目の除去作業
気が向いたので再度重曹で除去作業。前回よりもゴシゴシする範囲が狭いので楽でした。
新品じゃないかと思うほどキレイ!
見違えるほどキレイ!エーグル完全復活です。
ビーチでも大活躍。着替えやタオルにもボロボロ・ベタベタが付着しません!
まとめ
重曹すげぇ~!というのが率直な感想です。
- 性質上ポリウレタンコーティングの劣化は避けられない
- 劣化した防水ポリウレタンコーティングは重曹で取れる
- ついでに湿っぽい・カビっぽいニオイも取れる
- 劣化していないポリウレタンコーティングは落ちない
知ることができて本当によかった生活の知恵です。
他のリュックやマウンテンパーカーがボロボロ・ベタベタになったときも焦らずに対処できます。
お気に入りリュック完全復活まであともう一息。細かい部分をゴシゴシするのは本当に面倒くさいけれど、あの気持ち悪いボロボロ・ベタベタが物に付着したらイヤなので、もう一度洗ってみる予定です。 → 2回目の除去作業で完全復活しました!
どんなに汚れてしまっても、壊れても工夫次第でもう一度使えるようになるかもしれない。
捨てる前に修理する方法はないか?復活させる方法はないか?他の何かに使えないか?と考えてみることがいかに大切かということを実感しました。
それにしても重曹はすごい!
【追記】重曹は漂白剤代わりになるのか検証してみました。
【追記】重曹のみ煮洗いで黄ばみやシミが取れるのか検証してみました。
万能素材。