先日、人生初の食中毒を経験しました。
ニュースで見る・聞く程度でほぼ他人事だった食中毒。
この度「食べ物にあたるとはこういうことなのか」と食中毒がいかに恐ろしいものであるかを身をもって体験することになりました。
食あたりなんて二度とごめんだ!と思い、これを機会にウィルスの種類や原因、家庭でできる食中毒予防や対処方法などをしっかり確認。
でも、どんなに気をつけていても食中毒にかかるときはかかります。
そこで今後に備えて、また自分への戒めもこめて食あたり・食中毒の原因や症状、予防方法、やりがちだけれど実はやってはいけない対処方法などをまとめてみました。
目次
食中毒と食あたりの違い
ふと食中毒と食あたりの違いが気になって調べてみたところ
- 食中毒=医学用語
- 食あたり=医学用語ではない
という感じでほぼ同じ意味だそうです。
「中毒」と聞くとなんだかすごく重症な気がするけれど、軽い食あたりも重い食あたりも医学用語では食中毒ってことなのではないかと。
そういえば英語でもFood Poisoning(フード ポイズニング)=食べ物の中毒=食中毒です。
食中毒・食あたりの原因と予防
原因
自分を苦しめた悪いやつの正体が知りたい!というわけで調べてみました。
- カンピロバクター
- 腸炎ビブリオ
- サルモネラ
- 腸管出血性大腸菌(O157など)
- セレウス菌
- ウェルシュ菌
- ボツリヌス菌
- ブドウ球菌
など世の中には悪いやつらがこんなにいっぱい!
『セルフドクターネット』食中毒ってどんな食べ物が原因で起こるの?
で、その原因となる細菌やウィルスの種類によって、発熱があったり、嘔吐のみだったり、下痢のみだったりなど症状や潜伏期間も異なるそうです。
ノロウィルスなどうつる危険性があるウィルスも。目に見えないものだけに本当に恐ろしい。
食中毒予防の三原則
厚生労働省が掲げる食中毒予防の3原則です。
- 食中毒菌を付けない!=洗う・分ける
- 食中毒菌を増やさない!=低温で保存する
- 食中毒菌をやっつける!=加熱処理する
細かく丁寧に予防ポイントが説明されています。パンフレットも早速ダウンロードしました。
人生初!食中毒の記録
何かと縁があるようで、オーストラリアに住みはじめてからこれまでに5回ほど救急車を呼んだことがあります。
自分のために救急車を手配したのは今回がはじめて。人生初の救急車。ちなみにオーストラリアで救急車を呼ぶときは000(トリプルゼロ)です。
- 8時頃、息子と一緒に朝食を食べる
- メニューは冷蔵庫に入れ忘れた前夜の残り物パスタと冷蔵庫にあったゆでたまご(息子は納豆ごはん)
- パスタを電子レンジで加熱した後「においがちょっと変?」と一瞬思ったけれどそのまま食べる
- 8時20分頃、胃のあたりが気持ち悪くなる
- 8時30分頃、なんだか調子が悪いのでベッドに横になる
- 8時45分頃、あまりに具合が悪いのでとりあえずトイレに行ったら嘔吐
- 夫が息子を連れて近所のビーチに出かけている間もずっと嘔吐
- 夫と息子が帰宅後も嘔吐(おそらく11時30分くらいまで)
- 嘔吐がおさまったと思ったら今度は下痢
- 痛いので下痢止め2錠服用
- 胃・下腹あたりに陣痛のような激痛
- あまりの痛さに立てなくなってしまい、バスルームの床でのたうちまわる
- 夫を呼んでもテレビの音が大きすぎて全く気づかない
- 午後1時頃、やっと夫に発見される
- 救急車を呼ぼうとするも焦りすぎて番号が分からなくなった夫から「何番だっけ?」と聞かれる
- 電話口で夫が「妻がムラサキ色で全身冷たくなっている」と説明する
- 焦った夫がご近所さんに助けを求めたため、なんだか大騒ぎになる
- 午後1時30分頃、救急車到着
- 救急隊員に「陣痛が10なら今の痛みのレベルは?」と聞かれ「レベル9.5」と答える
- 救急車の中で痛みを和らげる薬を投与される
- 午後2時15分頃、病院到着
- 看護士に「今の痛みのレベルは?」と聞かれ「レベル6」と答える
- 午後5時頃、ドクターに診てもらう・点滴など
- 午後7時30分頃、帰宅
若者風にいうと「本当にハンパねぇ」痛み。
でも悪いのは自分です。
- まだ本格的な夏じゃないから・面倒くさいからという理由で残り物パスタを冷蔵庫に入れなかった
- 電子レンジで加熱後、変なにおいがしたのに食べた
- ちゃんと加熱しなかった
- 数日前に作って冷蔵庫で保存していたゆでたまごを食べた
パスタの仕業か。ゆでたまごの仕業か。いずれにしても悪いのは自分です。
やってはいけない食中毒・食あたりの対処法
今回学んだことです。
1. 我慢しすぎてはいけない
- 吐いてしまえばきっと楽になる
- ベッドに横になっていればきっとよくなる
- この程度で病院に行くなんて
- この程度で救急車呼ぶなんて
こんな風に思いながら痛みを我慢しすぎた結果、体力的にも精神的にもかなりつらくなりました。我慢しすぎず、もっと早く救急車を呼べばよかったなぁと思います。
下痢が1日10回以上起こる。体がフラフラする。意識が遠くなる。尿の量が減る。尿が12時間以上出ない。下痢便に血液が混ざる。嘔吐が止まらない。
という場合は早急な治療が必要だそうです。
『セルフドクターネット』病院へ行った方がよいのはどういうとき?
痛みやつらさの感じ方は人それぞれ。
- 下痢が止まらない
- 嘔吐が止まらない
- 意識が朦朧とする
- のたうちまわるくらいの痛み
- とにかくつらい
- 何かがおかしい
なんてときは我慢しずぎず、病院に行くか救急車を呼んだ方がよいのではないかと。
2. 嘔吐や下痢の症状があらわれた時は水を飲んではいけない
夫が救急車を呼ぶため000に電話をしたとき、電話口で最初に言われたことは「水分を一切与えるな」ということ。
夫と夫が呼んだご近所さん達の「脱水症状になるから水!水!」「えっ、水はダメなの?へぇ~そうなんだぁ」といった会話が今でも忘れられません。
嘔吐・下痢といえば脱水症状にならないようにとにかく水分補給!だと思っていたのでやや驚き。
理由としては
- 水を飲める状態ではない
- 悪化させるおそれがあること
- 搬送された病院で何か他の検査をする可能性もあること
などがあるようです。
病院到着後、あまりに喉が渇いてつらかったので救急隊員に「水ください」とお願いしたら「ダメ」と言われ、結局ドクターに診てもらうまで水分を摂ることができませんでした。
下痢や嘔吐の症状があらわれた時点では、水分を一切受け付けない状態になっております。そのため、症状があらわれて5~6時間は、水分を与えず下痢や嘔吐を繰り返してください。
だそうです。
最初は水分補給せずに体の中の異物を出すことに専念しろ!ってことなのだと思います。
3. 自己判断で下痢止めを飲んではいけない
吐き終わった後の腹痛がつらすぎて、ワラにもすがる思いで服用した市販の下痢止め薬。
これがどうやら大きな間違いだったようで、空腹で錠剤を飲んだからなのか、それとも下痢止め薬が原因なのか分からないけれど、ここからいっきに痛みが激しくなりました。
嘔吐や下痢は食中毒の原因となった菌やウィルスを外に出そうと体ががんばって戦っている証拠なのだそう。
そこで下痢止め薬を飲んで無理矢理下痢を止めてしまうと、菌やウィルスを体内にとどまらせてしまい、症状の悪化を招くことがあるそうです。
4. ○日で完治するはず!と期待してはいけない
病院から帰宅後ベッドに横たわりながらまず調べたことは
- この苦しみは一体いつまで続くのか?
- いつ完全復活できるのか?
- いつ治るのか?
ということ。
原因となった菌やウィルスの種類にもよるけれど大体1~3日、1週間くらいで完治するといった内容が多かったのでちょっと安心していました。
ところが思っていたよりも相当な体力を消耗したのか、年齢のせいなのか、1週間近く経ってもまだ完全復活したとはいえない状態です。
2日目
- 全身筋肉痛みたいな感じ
- 食べることができない
3日目
- 全身だるい
- 軽い吐き気と下痢が続く
- 頭痛
- 食べることができない
4日目
- 軽い吐き気と下痢が続く
- 頭痛
- おかゆとゼリーを少し食べはじめる
- 何かを食べると胃から下腹が痛くなる
- 医者に行ったところ「脱水症状によって血液の量が減って低血圧になってるからだるいの当たり前」と言われる
- 脱水症状改善のため電解質補給するよう指示される
水に溶かすタイプの電解質補給を購入。おいしくないけれど体がだいぶ楽になりました。
電解質補給!
5日目
- だいぶ調子がよくなり、いつものように息子を保育園に送り届ける(徒歩約1時間)
- 帰宅後ひどい頭痛と疲労感に襲われる
- また寝込む
- おかゆとゼリーを食べる
- まだ少しお腹が痛い
6日目以降
- だるい
- 疲れやすい
- 血色はだいぶいい
- お腹の調子はだいぶいい
とこんな感じです。
年齢やもともと備わっている体力にもよるけれど、夫の会社の食中毒経験者(おっさん達)の話によると「体力が完全に回復するのは発症後1週間~2週間前後と考えていた方がいい」だそうです。
仕事のこと、家事のことなど気になることはいっぱいあるけれど何をするにも体が資本。
吐き気や下痢がおさまっても体は予想以上に衰弱しており、調子に乗って無理をすると悪化したり、回復が遅れたりするので無理は禁物です。
まとめ
たまごが怖い。肉が怖い。食中毒コノヤローと思うと同時に自分の不注意が原因なので今は自責の念でいっぱいです。
息子が食中毒にならなかったことがせめてもの救い。
二度と経験したくないけれど、食中毒にでもならなければこうして食中毒予防について真剣に考えることもなかったと思うので、そういう意味ではいいきっかけになったのではないかと。
将来、家族または自分が食中毒になっても冷静に対処できそうな気がします。
決して他人事ではない食中毒・食あたり。予防や対処方法を見直して、いざというときに適切に対処できるようにしておきたいものです。
ポイントは電解質。